11月・12月金継ぎ教室 pic up
11月は、文化の日の振替休日と重なったマダレーナカフェさんでの金継ぎ教室から始まりました。午前中はアドバンスクラス、午後はビギナークラスを行い、同時にOBの皆さんを対象としたアシストクラスも開催しましたが、どちらも枠いっぱいのご参加をいただきました。
12月の教室はちょうど中間地点に差し掛かり、研磨を中心とした工程が進んでいます。この工程は見た目の変化が少ないものの、仕上がりに大きな影響を与えるため、丁寧に進めることが何より重要です。そのため、細やかなアドバイスをお伝えする場面が多かったように思います。
マダレーナさんで受講される方の多くは、近隣にお住まいで、カフェに頻繁に通われるお店のファンでもあります。そのため、馴染みの場所で開催する教室にも愛着を持って通ってくださる方が多く、卒業後も継続して訪れてくださったり、時間の都合をつけて再び通い始めてくださる方が少なくありません。また、今期の終了を前に、新規加入希望の方からすでに予約をいただいていると伺っています。
次回の新規募集は春頃を予定していますが、競争倍率が年々高くなっているようです。ありがたいことではありますが、お待ちいただく方が増える可能性を考えると、今後は何らかの対策を検討する必要があるかもしれません。
ソノモノ教室さんでは、午前中のクラスは2年近く通い続けてくださっている方々で構成され、午後はビギナーとアドバンスのミックスクラスになっています。そのため、進捗に差があり、新鮮な気持ちで対応に取り組んでいます。
特に午前中のクラスでは、各自が自分の課題を見つけて作業に取り組まれたり、商品の修繕に挑戦されたりと、活動内容が多岐にわたります。そのため、アドバイスをする際には、それぞれの状況に応じた切り替えが求められ、頭のスイッチをフル稼働させる場面が多いです。
店舗内の照明は落ち着いた淡い光なので、モバイルライトを活用するのも効果的です。金継ぎの作業は細かな手元の作業が多く、焦点をしっかり合わせる必要があるため、拡大ルーペグラスや十分な光源の使用をおすすめしています。
また、大きな欠損部分に繰り返しサビを埋める作業をされている方は、これからの季節、漆が乾きにくくなることが予想されます。湿度や温度を適切に管理できる環境を整えることで、作業がスムーズに進むと思います。
インヤンレスト教室は日曜日開催ということもあり、徐々に参加人数が増えて、午前と午後の二部制となっています。大勢での楽しさもありますが、細かいところまで目が行き届くためには少しゆとりが必要です。スペースも広がり、各自が思い思いの進捗度で作業を進められるようになりました。
うつわの特性をよく観察し、必要なマスキング作業を丁寧に進めてから漆作業に取り掛かります。思わぬ滲みや染み込みを防ぐための下準備は、後の仕上がりに大きく影響するため、ルーティンとしてまず手を動かしてしまうのも一つの方法です。
接合した際の段差や塗り残しなどは、最初はなかなか気づきにくいのですが、慣れてくると次第に見えるようになります。目が育っていくことは上達の証ですし、上達することでやるべきことも見えてきて、作業が増えるという悩みが出てきます(笑)。
スプーンなど小物よりやや根気の必要な椀の拭き漆に挑戦中。艶が上がって仕上がりが楽しみです。
午後も新規の方が少しずつお仲間に。
道具はこちらでも用意があるのですが、ご自身で揃えられると自宅でも作業が進められるので、是非ご相談ください。
オーナーが用意してくださった11月のおやつは韓国のお餅。上新粉で蒸してあるのでむっちりとした歯応えと豆やゴマの自然な甘みが蓮茶と共に大変美味でした。
ティーマットは韓国の伝統的キルト『ヌビ』です。
ちなみにこちらは12月のお茶の時間。ごちそうさまでした
アトリエニノン教室は12月の回がまだ控えておりますので、こちらは11月の一コマになります。
この日はお休みの方もいらっしゃったため、ゆったりとしたペースで進行しました。スタッフのT店長が動画をアップしてくださり、リアルタイムでご覧いただいた方もいらっしゃったかもしれません。
新しく手がけている器は、錆とぎを中心に下地作業が続いています。仕上げに近いものは、塗りの精度にもこだわって丁寧に進めることで、仕上がりが美しくなりますが、反対にざっくりと仕上げるのも面白さが出ます。自分の好きなゴールを目指して進めるのも良いと思っています。
スタートして1年を超え、少しずつ近隣の方々にも知っていただけているようです。毎回の対応を大切にしており、場所も都内近郊からアクセスが便利ですので、復習などにもぜひご利用ください。
作業後のお茶は虎屋の羊羹をご用意してくださいました。漆の器も麗しく。
自宅教室をはじめ、講座にお運びくださった皆さま、ありがとうございました。また、それぞれのオーナーの皆さまにも大変お世話になり、改めて感謝申し上げます。来年も充実した講座となるよう、工夫を凝らして臨みたいと考えております。引き続き、よろしくお願いいたします。
さて、年末が近づき、掃除や持ち物の整理など、大掃除の季節ですね。断捨離を含め、身の回りのものに目を向け、必要なものを改めて考えるタイミングでもあります。
残したいものの中でも自然素材でできているものは、漆で補修をすることで、生まれ変わったように美しくなります。長く使っているものを見直した際には、「仕立て直し」という視点で改めて注目してみるのも楽しいです。その際は、ぜひ講座で一緒に取り組んでみましょう!