割れたうつわを保管するときのこと
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引越しでうつわが箱の中で割れていたり、新生活の疲れから手を滑らせてつい落としてしまった経験をされたことがある方は少なくないと思います。捨てるしかなかったものが 「金継ぎ」で修理して再び使えることで(直るということを知っていることで)、胸の痛みや落胆が少し軽減されますし、割った相手に怒らずに済むというメリットもあります。自分で直すという選択肢もそのうちに出てくるかもしれません。
傷むものではないので保管は未期限ではあるのですが、傷を深めないためにいくつかポイントがあります。
まず破片がすべてあるか確認します。その後ひとつひとつティッシュやキッチンペーパーなどやわらかい紙で包みます。ごく小さい破片は紛失防止のためファスナー付きの小袋にまとめます 。
テープで仮止めした場合はこの段階ですべて取り外します。テープはそのままにすると劣化してべたつき、とてもはがれにくくなります。粘着剤の跡が残ったり、はがすときに薄い釉薬が割れてしまうこともあるので、必ず剝がしてから保管しましょう。
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こうすることで破片同士がこすれず、断面がきれいな状態で保たれ、土こぼれやほつれがこれ以上進まないようになります。土こぼれが増えると修理する際に工程も増えるので、経費節約の面でも大切です。
そして緩衝材などで一つにまとめておきます。新聞紙も衝撃を吸収しやすい素材です。夕刊紙ほどの枚数を使ってまるまる包むとより丈夫です。この状態で中のものをマジックで記入しておくとより分かりやすいです。
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信頼できる修理先が見つかり、先方へ送るときには安全に届くための詰め方があります。
まず箱は段ボールの壁がなるべく厚めのものを、底には緩衝材を敷きます。新聞紙の場合はすこしくしゃくしゃと丸めるとクッション性が上がります。
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箱の大きさは壁とうつわの間にクッションが入るゆとりがあるとよいです。 まわりに入れたら箱を持って少しゆすり、中身が動かないことを確認してください。大きすぎると箱がつぶれやすくなりますし、ぴったりすぎるとほかの箱にぶつかったときの衝撃で割れてしまうことがあります。割れ物シールは受け渡しのドライバーさんに見えていても、たくさんの荷物を多くの人がかかわって捌く環境ではあまり信用できないものです。
生まれ変わった姿になる日までしばらくはこのままで。
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