漆で繕う・日常を紡ぐ
山鳥の金継ぎ
金継ぎは、漆を使って壊れた器を繕い、再び使えるようにする修繕技法です。
うつわ継ぎ山鳥では、金継ぎを暮らしの中で器を使い続けるための修繕と考え、「実用の美」を大切にしています。
器の傷や欠けに向き合うときは、破損したところだけでなく、使い込まれた器の状態や表情をよく見ます。
使ううちに生まれた質感や色あい、色褪せや擦れといった経年の痕跡も、その器が重ねてきた時間の一部です。
すべてを新しく整えるのではなく、もとの佇まいを損なわないよう、必要な手だけを加えていきます。
長く使うために、本漆で繕う
山鳥では、修繕の材料に本漆を用います。
伝統的な技法だからというだけではありません。直した器を再び日常で、長く使い続けられるようにするためです。
破損の状態や器の素材、用途に応じて工程を組み立て、実用に十分な強度を持たせます。
どこを補い、どこに手を加えないか
金や銀をどこまで見せるか。傷をどこまで整えるか。使い込まれた跡をどこまで残すか。
修繕では、直すことと同じように、どこで手を止めるかも大切だと考えています。
その判断には、いつも美意識の活かしどころがあります。
作為を避け、直したところだけが目立つのではなく、器本来の魅力が自然に立ち上がるように。
繰り返す日常の中で、器が特別なものになりすぎず、再び普段の道具として使われることを大切にしています。