令和3年横浜芝山漆器展

2021年09月21日
7月から所属している横浜芝山漆器研究会の作品展が無事終了しました。
港の見える丘公園前、岩崎博物館ゲーテ座ホールが会場です。9月に入り急に肌寒い日が続いていましたがこの日は天気もよく、研究会から運んだ資材の搬入も比較的順調だったようです。

当日は赤堀先生、研究会所属員に加え博物館員の方と会場セッティングを行いました。宮崎先生はこの日は退院後の予後観察で作品のみ別便で到着、会期最終日のみご出席でした。

前半は肌寒さや台風の影響で天候が荒れた影響もありましたが、連休前から秋晴れが続き、連日多くの方が見えられたようです。

芝山漆器最盛期のころは主に輸出用の作品がほとんどで国内にあまり大きなものが残っていないのが残念です。宮崎先生の技術を全て継承することが出来る方も今のところはほぼ居られず、心細さはあるのですが、漆器展に向け毎回新作を作られており創作エネルギーには全く驚くばかりです。


担当当番の日も熱心に一つ一つ目をこらされている方が多く、直接見る機会はやはり大切なことと強く思いますし、宮崎先生作品のファンの方々から在廊のタイミングが合わなかったことへのご伝言など申し送り事項もほぼ毎日あり、コロナ禍の難しい時期に会が無事開催されたのは素晴らしいことです。



牡丹の葉は鼈甲が使われています。

人物像は横浜芝山漆器の特徴とするモチーフ。
唐子の衣装も一つ一つ細やかな彫りが施されているのですが、言われなければわからないほど細かいお仕事です。


私自身も芝山細工作品を目にする機会が少ないので拝見はとても楽しみにしていましたが、2年に一度の会期と入会が重なり、歩調を合わせることができず多少の気後れありました。それも赤堀先生や会のご好意で燦の会で作成したものを置かせていただき、またいくつかは気に入っていただいた方のご縁があったことで参加の実感を得たのは大きな安堵であり、また新たに作品作りへの意欲が湧いたのも驚きです。

多少の戸惑いも足手纏いにならないよう気を使うことも燦の会での経験があることで迷惑をおかけせずに済んだこと、これまでの積み重ねが形となったのはひとえに宮子先生や同門諸先輩のお力も大きいかと思います。また友人知人も多く訪ねていただき大変心強く、改めてこの場をおかりしてお礼申し上げます。2年後に向けてまた少しずつ進んでまいります。